法話238

私の人生を支えているもの(二)

永平寺町谷口・仏願寺住職 藤井尊乗

私たちは一人では生きられません。人と人とのかかわりの中で生きているのであります。それだけにそのかかわりが大切にされなければなりません。
家族との心のつながりは身近なものであるだけに、これを失った人には狐独の苦しみがあります。狐独は病気にも匹敵する程の苦しみであります。
生きるよろこびは人間お互いの心の通いの中に味わえるものなのであります。井戸水がいつも清らかで新しくおいしくいただけるのは地下の見えないところで流れあっているからであります。地域の人々の温かい心、親切な言葉、たすけ合い、はげまし合いは血縁のそれにもおとらぬ喜びであります。
また”そですり合うも多生の縁”という古いことわざがありますが、無関係と思っていたこと、偶然と思っていたことまでが、見えないところで何かのつながりがあったことを知ったとき、温泉のようなぬくもりが心の中にわき出るものであります。世の中に無縁のものは一つもありません。大いなる恵みの中に包まれて生きている私でありました。

法話238挿絵

人生には悲しいこと、苦しいことが絶えません。それがわが身にせまっている時、究極の心のよりどころとなるものはみ仏の温かいお慈悲の心であります。み仏に支えられて生きる人生は明るく強いものであります。信心の人とはいつもみ仏と共に生きている人であります。

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