法話147

聴聞は要所おさえよ(蓮如上人のお言葉)

東京本願寺布教使 山田義俊

きょうは蓮如上人の「聴聞は角をきけ詮ある所をきけ」というお言葉を通してお話させて頂きます。
「角」とは、かど目ということで「要所」とか「急所」という意味です。仏法の聴聞は、ただぼんやりと遊び半分で聞かせて頂くのではなく、要所とか急所を聞き分けてきけよというお示しです。
ややもすると、浄土真宗のご門徒の中には、「門徒もの知らずだからなにもしないでよい」という考えをしている人がいるようです。
これは求道の生活と信仰生活とのかど目が混乱している所から起きる誤解です。親鸞さまは「たとい大千世界にみてらん火をも過ぎゆきて、仏のみ名を聞く人は、ながく不退にかのうなり」といわれています。教えに合わせて頂くまではそれこそ火の中に飛び込んで聞くぐらいの必死の聴聞が必要です。

法話147挿絵

それを源左という教えを喜ばれた信者は、「ただはただでもただではないぞただの教えも聞かねばならぬ聞けば聞くほどただのただハイ返事もあなたから」と見事に言い表しています。
また、教えに合わせて頂いた上からは、「世の中安穏なれ、仏法広まれかし」の思いでもって、念仏申させて頂くことこそ大切だと親鸞さまは言われました。
肝に銘じたいものです。

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