法話020

和み合う世の中を (「我欲」捨て信頼取り戻せ)

本順寺派福井別院輪番 浅野善乗

今、生命あるはありがたし(三)

「苦は欲より出て身を悩まし、名聞は我より出て心をついやす、身の分限を省みれば人にうらみなく、足ることを知るとき世利をむさぼることなし」二百数十年前の法語の一部です。

お法はどれほど歳月を経ても変わらない、大きな心の指針となります。苦しみ悩みの根源は、私の欲望に起因することを見逃してはなりません。我執・我欲が自分だけでなく周囲の方々にまで、大きな影響をもたらします。

法話020挿絵

自分の身の程を省みれば、なんら人をうらむことはないとさとされています。温かい人間関係も、そこなわれることはないでしょう。同時にお互いの信頼関係も深められてゆけば、争いも影をひそめるでしょう。互いに深いかかわりのある人間関係が自覚されたら、地球上も住みよい所に必ずなるでしょう。

「法の道ただ一すじに歩みなば かりの浮世も住みよかるべし」心静かに私の親を数えてみましょう。わずか千年足らずで、私一人のためになくてはならない親は、四、二九四、九六七、二九六人です。

現在の地球上の人の数、これから考えると、世界は皆兄弟です。信親関係を取り戻して、和みあった世の中を実現することが急務であります。

悪夢のような悲惨な過去の戦いに、犠牲となった方々のねがいにこたえるためにも、聞きましょう。真実のみ教えを、唱えましょう念仏を!

念仏は生死にかかわる
すべての苦難をこえる道

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