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19.仏教行事のいろいろ2

マンガ仏教入門はマンガで楽しく判りやすく仏教を学べます、今回のテーマは「仏教行事のいろいろ2」です。

④彼岸会

彼岸会

  • 彼岸とは
    彼岸という言葉は、古代インド語のパーラミター(波羅蜜多)が語源で、意味は「彼の岸へ至る」ということです。煩悩や迷いに満ちたこの世を「此岸(しがん)」というのに対し、悟りの世界・仏の世界を「彼岸」といいます。悟りの世界に至るためには、六つの修行道=六波羅蜜(ろくはらみつ)を行うことだと説かれています。
    • その「六波羅蜜」とは
      布施…与えられる喜びを育てること
      持戒…教えを守り人間らしく生きること
      忍辱…あらゆる苦しみを乗り越えること
      精進…何事も一生懸命努めること
      禅定…自らの心をコント口ールすること
      智恵…仏の知恵を学び、体得していくこと
      わが国では、春分の日と秋分の日を中日とする前後一周間をお彼岸としています。この日は、太陽が真東から上がって真西に沈むことから、西方極楽浄土の信仰と結びついたもので、日本独自の仏教行事です。
  • 江戸時代から盛んに
    記録上、日本ではじめて彼岸会が行われたのは八〇六年、悲惨な最期を遂げた早良親王(さわらしんのう)の霊を慰めたときからといわれています。
    江戸時代には彼岸行事が民衆化し、種々の習俗を生むようになりました。六阿弥陀詣や江戸三十三ヶ所観音巡礼などに出かける彼岸詣(彼岸参り)や、彼岸船に乗る彼岸講の人々もいました。

⑤灌仏会(かんぶつえ)

灌仏会
  • 四月八日の花祭り
    四月八日、お釈迦さまの誕生日を祝って営まれる行事が灌仏会です。一般には、花祭りと呼ばれています。紀元前四六六年(一説には五六四年)、摩耶夫人がお産のため実家のお城に帰る途中、立ち寄ったルンビニー花園の無憂樹のもとで誕生されたと伝えられています。
    このときの伝説を再現するため、屋根の四方を花で飾った「花御堂」を作り、その中に安置した誕生仏に甘茶を注ぎます。
    甘茶の由来は、天空にいた九匹の竜が清浄の水を注ぎ、お釈迦さまの誕生を祝福しその身心を清めたという「普曜経」の記述に基づくものです。




⑥成道会(じょうどうえ)

成道会
  • 悟リを開かれた日の法会
    成道会は、お釈迦さまが菩提樹の下で悟りを開かれた十二月八日に行われます。成道とは、仏となった日のことを意味します。
    この日は、みそや酒かす、昆布、菜などを混ぜた粥を食べる風習があります。これは、お釈迦さまが悟りを開かれる前、苦行のため衰弱し、死の一歩手前であった体をスジャータという村娘が乳粥によって救ってくれたという話がもとになっています。特に禅宗では、成道会のことを「蟻八(ろうはち)上堂」といい、盛大に行われます。







⑦お盆

お盆

  • 孟蘭盆会(うらぼんえ)の由来
    お盆は、正式には「孟蘭盆会」といいます。古代インド語のウラムバーナ(はなはだしい苦痛、さかさづりの苦痛)が語源です。由来として「仏説孟蘭盆経」は次のように伝えています。
    お釈迦さまの「十大弟子」の一人である目連尊者(もくれんそんじゃ)は、亡き母が地獄の餓鬼道に落ちて、逆さづりの苦しみを受けているのを神通力によって知りました。お釈迦さまにいかにすれば母を救えるかを尋ねたところ、「夏安居(げあんご)という僧侶の修行期間が終わる七月十五日に、多くの僧たちに食物を施し、供養しなさい。」とおっしゃいました。
    教えの通りにしたところ、亡き母は餓鬼道から救われたということです。
  • お盆のしきたり
    お盆は、わたしたちの生活に深く根ざした行事です。一般には七月か八月の十三日から十六日にかけて行われます。十三日を「迎え盆」、十六日を「送り盆」といいます。
    それぞれ迎え火、送り火をたき、ご先祖さまの霊が来るときにはキュウリの馬、帰りはナスの牛に乗るという言い伝えから、道にキュウリやナスの人形を飾る風習もあります。
    この期間、お仏壇を美しく飾り、果物や野菜、菓子などをお供えします。朝、昼、晩と食事もお供えします。僧侶を招いてお経をあげてもらったり、お墓参りもします。
    各地でお盆にちなんだ行事やお祭が行われますが、送り火の一種である京都の大文字は、特に有名です。

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